修行の意義

 人間の意欲的な行動は、目的がなければ生まれないものです。天武無闘流柔術への入門の動機は、人それぞれに異なっていると思いますが、修行を通じて心身とともに健全で逞しい人間であるように、己を自から鍛え上げ、円満な人格と不屈の精神を養う事を目的とした修行を行わなければ、単に攻防を弄ぶ無意味な修行となりますので、修行の意義を正しく理解し修行を行うことが大事なのです。

源流の由来

 天武無闘流柔術の源流は、越中に三百十数年以前に、佐々木家束柾奈が伝承したもので、流祖は幼少の頃より武術を好み、夢の中に探し求めた妙術を開かんと、昼夜わかたず魂気を役じて修行に精進したが、ようとして察する所あらず、ほとほと思案に暮れ、諸国に出て実践を貴重する修行中、所作に頼むまず心を以って当たらば、身は陰陽に従い絶妙を成す也との、神伝を授かり、後に天、文、理、陰、陽に至る兵法を開眼し、一領一党を守護する武術として相伝されてきた流派が天武無闘流柔術の母体なのです。